行政書士法人メイガス国際法務事務所
キャッチオール規制対応
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リスト規制とキャッチオール規制
安全保障貿易管理では、原則としてリスト規制対応とキャッチオール規制対応の両方が必要となります。
リスト規制対応においては、海外へ輸出しようとする貨物・技術のスペック・仕様等が規制リストに該当しないか判定することが必要です。これがいわゆる該非判定です。規制に該当する貨物・技術を輸出しようとする場合は、経産省(正式には大臣)の輸出許可が必要となります。
それに対して、キャッチオール規制では、貨物・技術のスペック・仕様等ではなく、貨物や技術の輸出先国や、提供相手方に基づいて、輸出許可要否を判定するものです。弊所では企業のキャッチオール規制対応を支援するため、取引審査のサポート等を行っております。
キャッチオール規制対応支援については、顧問契約か、タイムチャージ制でのスポットでのご依頼で対応しております。費用はご相談内容により個別のお見積りとなります。
また、キャッチオール規制について検討した結果、輸出許可申請を行うと決められた場合には、輸出許可申請の支援も弊所にて対応可能です。
弊所によるキャッチオール規制対応・取引審査支援のよくある事例①
クライアント様のお悩み:
弊社の取引先の◯◯社が米国の何らかの制裁リストに掲載されてしまったとニュースで聞きましたがよくわかりません。取引先が一体どのリストに掲載されてしまったのか、また、そのリストに掲載されると弊社との取引において、どのような影響があるのでしょうか。また、掲載理由等はわかりますか。
弊所の回答(抜粋):お調べしたところ、御社の取引先である◯◯社は、米国財務省外国資産管理局(OFAC)が公表する、NS-CMICリスト(Non-SDN Chinese Military-Industrial Complex Companies List)に掲載されていました。本リストは投資規制に関するリストで、同社に関する証券取引が制限されます。
掲載理由については、◯日付の米国財務省のプレスリリースによると、人権侵害関連と思われます。事案詳細としては、(略)。
御社への影響としては、商品やサービスの売買など、証券とは無関係な活動を禁止するものではありませんので、当面の影響はないものと存じますが、今後、更に厳しい規制が適用される別の制裁リストに掲載される可能性もありますので、弊所の方でも引き続き注視して参ります。
弊所によるキャッチオール規制対応・取引審査支援のよくある事例②
クライアント様のお悩み:
今回の案件はリスト規制にもキャッチオール規制に引っかからなかったが、若干の懸念があるので、自主管理として取引先企業に対して軍事転用や転売をしない旨の誓約書を書いてほしいが、誓約書の様式をリーガルチェックしてほしい。
弊所の回答(抜粋):
対応可能です。誓約書は経産省も複数のフォーマットを公表していますが、本件のような自主管理としての誓約書フォーマットは公表しておりませんので、弊所の方で修正・追記提案等を行うこともできます。また、このようなケースの類似事例や、実務慣行についてもご説明可能です。
弊所によるキャッチオール規制対応・取引審査支援のよくある事例③
クライアント様のお悩み:
外国ユーザーリストに掲載されている中国の国立大学の付属機関である◯◯学院と共同研究を行うことになったが、大学本体が掲載されていても、付属機関であれば共同研究が可能か。
弊所の回答(抜粋):
まず、キャッチオール規制に関する需要者については行政機関単位(法人にあっては法人単位)で判断することとなります。従いまして、本件については中国の国立大学とその下部組織・付属機関のどこまでが一つの行政機関と判断すべきかが問題となるかと思います。
外国ユーザーリストにおいては、外国の大学を掲載しても、大学の学部、研究室、大学病院、大学図書館、各種センター等を個別に掲載している事例はなく、産学連携JVのように別法人格をもっていることが明らかな場合を除き、大学本体と関係機関を一体的に審査することが推奨されていると思われます。
中国の大学の場合の注意点としては、例えば、◯省◯市に◯大学という大学がありますが、同大学の関係機関として、◯大学南方学院という半官半民の大学が存在します。この◯大学と、◯大学南方学院は、キャンパスも、卒業証書の発行主体も異なり、大学運営の資金管理も、教職員も、完全に別の独立した学校です。こういった、国立大学と民間が共同出資して作った大学を"独立学院"と呼びます。
つまり、外国ユーザーリストに掲載されている大学であっても、その掲載大学の独立学院であれば、別法人として考える余地も出てくるのではないかと思われます。ただ、独立学院であるかどうかは、名称から容易に判断できません。中国の大学では学部を学院と称しますが、先程の例の◯大学には、外国語学院、法学院などが存在します。これらの学部としての学院を二級学院と呼び、それに対して南方学院など、独立組織としての学院を独立学院と呼びます。
独立学院は中国に数百校単位で存在しますので、中国の大学の✕✕学院や、✕✕学院付属センター等と取引する場合は、まず当該学院が独立学院か、二級学院か判断することをお勧めします。